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プロジェクト事例:戦略立案から実行まで、一気通貫で製造業のデジタル構造改革に挑む

2021/03/26

こんにちは。

ビジネス コンサルティング本部のサプライチェーン&オペレーション プラクティスに所属しているマネジャーのKangoです。

私は新卒で商社に入社し、自動車・機械製品の海外営業を担当し、2015年から2年間ドバイへ駐在をしておりました。帰国後、2017年11月にアクセンチュアへ経験者採用で入社し、以降は化粧品・製薬・自動車・食品など、製造業のお客様を中心にご支援しております。

プロジェクト事例:戦略立案から実行まで、一気通貫で製造業のデジタル構造改革に挑む

今回は現在関わっている、ある製造業のお客様での業務改革&DXプロジェクト事例について、日本の製造業で多くみられる課題も踏まえながらご紹介できればと思います。

コロナ禍でより鮮明になった日本の製造業における課題

2020年からのCovid-19のパンデミックに伴い、企業の事業環境は日々急速に変化しています。その変化にタイムリーに対応するために企業は”事業データの収集→事業環境の把握→経営判断”という一連のサイクルをより高速で回すことが求められてきています。それには部門横断でデータ収集する仕組みが必要ですが、日本の多くの企業は部門縦割りの構造で、横の組織がなにをしているかわからず、全社一丸での取り組みが上手くいかないケースが多く見られます。私が現在担当している製造業のお客様も部門閉鎖的な組織風土がありタテ×ヨコのコミュニケーションが上手く働いていない状態でした。加えて、経営判断のベースとなる事業データの粒度が部門毎・地域毎でバラバラになっており、タイムリーに事業環境を把握するための阻害要因になっていました。従って、急速な環境変化に即座に且つ全社一体となって対応できる事業基盤を構築するための構造改革に取り組む必要がありました。

全社デジタルトランスフォーメーション(DX)としてのアクセンチュアのアプローチ・取り組み

最初の構想フェーズでは、お客様とアクセンチュアの間で部門横断の全社DXチームを立ち上げ、プロジェクト開始当初から社長も含め経営層と週に一回ペースで対話を繰り返し行い、全社の経営課題の抽出および目指すべき姿の討議を行いました。数カ月の構想フェーズを経た後、販売/サプライチェーンマネジメント/製造など複数の領域でプロジェクトを立ち上げ、全社DXチームが全てのプロジェクトの進捗管理・検討推進サポートを行う体制として、毎週社長へ各プロジェクトの進捗報告を行っております。

プロジェクト事例:戦略立案から実行まで、一気通貫で製造業のデジタル構造改革に挑む

現在、アクセンチュアとして計数十名体制で複数領域の支援をさせていただいておりますが、今回はその中から更に、私が担当している製造領域の話をしたいと思います。

製造領域における課題・アクセンチュアの活動

皆さんは日常生活の中で企業が生産する様々な製品を購入すると思いますが、世の中の企業で一つ一つの製品がいくらで作られているか(=製造原価)を適切な粒度で正確に把握できている企業は意外と多くありません。”何をどのくらい作ればどれくらい儲かるのか”というサプライチェーンの基礎になるデータが曖昧だと、どれだけデジタル化を進め、AI予測の仕組みなどを導入してもAIが取り込む基礎データが正しくないため、正しい経営判断が下せないことになります。従って、製造原価を適切な粒度で把握することが製造領域のDXの最初の一歩になりますが、このお客様も原価データの粒度・取り方が工場毎や工程毎にバラバラで、製造原価を正しく把握できていない状態でした。

上記の課題を解決すべく、アクセンチュアの業務とテクノロジーメンバー複数名でチームを組成し、私は業務チームのリーダーとして取り組みを推進しました。具体的には、お客様の工場の現場視察なども踏まえ、現状、原価情報がどのようなプロセス・粒度で収集されているのかを把握、課題抽出を行い、適切な方法と粒度で製造原価を捉えるための新しい業務プロセスの設計を行いました。

アクセンチュアとしての支援範囲は”業務設計”で終わりではなく、現在は実際に期間を決めて”原価データの収集→分析”のトライアルを実施し、理論通りに正しく原価データが把握できるかの検証を行っています。この検証プロセスが一筋縄ではいかず、日々チームメンバーと検証結果を元に業務プロセスの修正を行い、プロセスの高度化に取り組んでいます。また、業務プロセスを効率よく実行するためのデジタルツール導入についても並行してお客様と討議を行っています。まだプロジェクトとしては道半ばですが、原価分析の手法を一つの工場で確立させ、将来的にグローバル全体の工場へ横展開することが中長期のミッションです。

プロジェクト事例:戦略立案から実行まで、一気通貫で製造業のデジタル構造改革に挑む

最後に(本プロジェクトの魅力)

上述の通り、本プロジェクトでは経営層とのディスカッション→現場実践を非常に短いサイクルで回していることが特徴的です。経営層との対話を通して具体化した戦略を机上の空論で終わらせずに、翌日には現場に伝え、実践につなげるダイナミックな働き方ができることが魅力かと思います。更に現場の課題に対する打ち手として、業務とデジタルを上手く”使い分ける”ことが求められるため、双方の知見を同時に高めることができ、自身の成長も日々実感することができています。“DX”がバズワードになり、ステークホルダーの評価を求め”DX”を目的化する企業が多い中、デジタルを使って本質的に会社の価値を向上させることが大事だと思います。戦略を描くだけでなく、それを様々な領域で業務&デジタル双方のアプローチで実践できる多様な人材がアクセンチュアには揃っています。そんな環境で働くことに魅力を感じた方は是非、アクセンチュアへのご応募お待ちしております。