ローコード/ノーコードの導入を加速させている要因としては、これまで以上に、迅速なイノベーションと改革が必要とされていることにあります。約3分の1(28%)の企業が、適切なツールやプロセスを確立しないままスケールの大きなデリバリーが行われていると回答しています。さらに、20%の企業にわたり、50以上のクローズできていない案件が存在しているようです。
こうした状況を踏まえ、企業は顧客や従業員、社会に対して卓越した体験を創造し、提供するための適切なテクノロジーツールを全社的に展開することが重要となってきています。アクセンチュアの調査では、経営幹部(C-suite)をはじめ、すべての部門や従業員など、組織全体に対し優れた体験を提供できる企業は、1年後、3年後、5年後、7年後には、同業他社と比較して収益性が6倍も上回ると見ています。
ITの観点でも、クライアントサーバーからSaaS/クラウドや複合アプリへの移行、IT費用の企業側でのコントロールなど、ローコード/ノーコードを推進する動きは目立ってきています。BYOデバイスなどの分散化の動きは何年も前からありましたが、パンデミックを機に急速に加速しています。
リモートワークで自宅がオフィスとなったことで、セキュアなシステム環境に対する新たな要件が生まれました。同時に、テクノロジーのコンシューマー化によって、より簡単にアプリやインターフェイスにアクセスできるようになり、ユーザーの中で仕事全体のエクスペリエンス(体験)が変化しています。
つまり、閉鎖的なシステムが開放され、全く新しい人々が企業や広範なエコシステムの中でテクノロジーに関わるようになっているのです。新たな開発者たちが、急速に進化するローコード/ノーコードツールを活用する/ことによって、システム開発の世界は「持ち込む」スタイルから、「自分で創造する」スタイルへと変貌しています。