2020年の調査において、多くの医療従事者は新型コロナウイルスによって自分たちのニーズや価値観、ならびに製薬会社との関係性に変化が生まれていると回答しました。また医療従事者は、製薬会社のレリバンス(関係性)とサポート体制はいずれも改善していると回答しました。

2021年の最新調査では、上記の改善点は維持されているものの、製薬会社は医療従事者と患者のニーズをより深く理解するために一層の努力をすべきだとの回答が得られました。

この調査を通じて、アクセンチュアは医療従事者のニーズと製薬会社の期待がパンデミック以降にどのように変化したのか、どのような要因が医療従事者と製薬会社の今後の関係性に永続的な影響を及ぼすのかについて、さらに掘り下げました。その結果、以下の3つの洞察が得られました。

製薬会社は、新型コロナウイルスによって医療従事者の期待の変化についての理解を深め、その期待に応えていく必要があります。

製薬業界では、医療従事者との「レリバンスの再構築」に向けた動きが広がりを見せています。実際、医療従事者の10人のうち9人は、製薬会社から提供される製品にとどまらない内容の充実したデジタルコンテンツについて、「非常に有益である」と回答しています。

しかし、本当に必要とされている有益な情報であっても、大量のコンテンツの山に埋もれてしまう可能性があります。また、医療従事者は製薬会社から提供される最新情報を求めている一方、大量の関連性の低いコンテンツが届くことに不満も感じています。

医療従事者は、新型コロナウイルス以降変化した自分たちのニーズや期待を製薬会社は理解していないと感じています。こうした製薬会社の理解不足は1年前から指摘されており、調査においても「製薬会社は新型コロナウイルスが医療従事者に与えた影響を理解していない」「製薬会社は新型コロナウイルスの患者への影響を理解していない」という回答が、それぞれ56％と60％（2020年比9％増）に上っています。

製薬会社は一層の努力を重ねることで、医療従事者の関心を集め、より良い関係を構築することができます。

新型コロナウイルスが医療従事者の日々の業務にもたらした変化について質問したところ、パンデミック以前よりも時間の融通がきくようになったと回答しました。

その結果、医療従事者は、より有意義なエンゲージメントを提供してくれる製薬会社を評価・判断することに時間を費やすことができるようになりました。医療従事者の10人のうち9人は、一部の製薬会社は他社よりも良いエンゲージメントを提供してくれていると回答し、「かなりそう思う」という回答も41％に上りました。

また、医療従事者はより良い関係の製薬会社に対して、より強くコミットしていることも明らかになりました。

医療従事者が最も重視することは、バーチャルと対面を駆使しそれぞれのメリットを組み合わせ、かつ患者のニーズを最優先にした新たな関係性の構築です。

医療従事者の関心を高め、多くの時間を共有できるようになれば、製薬会社が注力すべきポイントは明らかです。すなわち、医療従事者にとって最も重要な「より良い患者アウトカムの提供」を可能にするコンテンツの提供です。今回の調査では、「最良のコンテンツ」の半数は、患者のサポートにおいて容易に活用できるコンテンツ、あるいは治療に関連した事務手続きに役立つコンテンツであることが分かりました。

対話の方法については、バーチャルミーティングが今後も主流であり続けることが明らかになりました。多くの国々で渡航制限は緩和されていますが、初回の調査結果と同様、対面ミーティングに戻る傾向は現時点では見られません。

ただし、医療従事者の約半数(46％)は、パンデミック後は対面とバーチャルのミーティングの組み合わせが望ましいと回答しました。

製薬会社はこれらの好機を生かし、これまでにない斬新かつ思い切った考え方と働き方を取り入れていく必要があります。

成功が約束された万能のアプローチは存在しません。製薬会社は医療従事者とのレリバンスを向上するために、たゆまぬ努力を重ねる必要があります。アクセンチュアの調査では、最良の対話はコンテンツの質と医療従事者とのレリバンスなどの要素を組み合わせて構築されていること、またそれは医療の専門分野によって異なることが分かっています。

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