慢性化したデフレと景気低迷、人口減少、超高齢化社会などの社会問題を抱えた日本の産業界は大きな変化に取り残されないように、様々な挑戦を行っている。しかし、過去の優れたレガシーを持つ日本は、リープフロッグ型発展を行う中国やインド、アフリカを横目で見ながら、現在収益の基礎となっている既存ビジネスと次世代ビジネスの舵取りに懊悩している。
リスクの担い手となり、新しいサービスを社会に普及させる役割を担ってきた保険会社。戦前・戦後以降から果たしてきた役割ではあるが、近年、特に今後の10年間の環境変化の速さは比較にならないほど圧倒的になる。日本の産業の再構築を支える上で、保険会社も新しい形で国民、産業を支えて行く必要がある。
本稿では、顧客と産業の変化について状況をアップデートすると共に、保険会社がとるべきアクションについて整理したいと思う。