ここからは実際のプロジェクト事例を紹介します。ひとつめのプロジェクトは、化学A社における実際の事例です。
このプロジェクトはNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の公募である「AIシステム共同開発支援事業」で、アクセンチュアはドローンとAIを組み合わせたプラント設備の画像解析と点検判定の無人化に取り組みました。
本プロジェクトにおいて、アクセンチュアは高所にある配管を対象に、配管画像から腐食の進行度合いを自動判別する解析モデルと自律飛行型ドローンを組み合わせたソリューションを開発。配管の撮影はACSL社の自律飛行型ドローンが行い、画像または動画を自動でアップロードします。ACSLのドローンは独自開発のVisual SLAM(自己位置推定)により、非GPS環境下でも自律飛行が可能となっています。
そしてドローンが撮影した画像は、腐食度合いを評価する解析モデルにて、ピクセル単位で重度・軽度の2段階で腐食箇所を識別するモデルを構築しました。また、本解析モデルでは、配管と配管を支える架台部分に腐食防止として補強されているSAS板を検知・色付けすることで腐食が発生しやすい箇所の識別も可能です。評価精度については、約90%という精度を実現しました。