ライフサイエンスのサプライチェーン

ライフサイエンス企業のサプライチェーン部門の幹部は今、極めて複雑な環境下でのオペレーションを強いられています。無数にサイロ化された組織の中で、優先順位の対立や可視性の欠如、人材の不足、柔軟性が備わっていないテクノロジーといった数々の課題に対処しなければなりません。こうした環境の中でサプライチェーンが継続的にビジネス目標を達成し、より良い患者アウトカムを提供していくためには、単なるマイナーアップグレード以上の施策が不可欠です。

ライフサイエンス企業にとって、サプライチェーン業務は極めて重要な戦略的要素の1つです。サプライチェーン部門の能力の積極的な向上・拡張を図り、新しい世界のニーズに応えようとするライフサイエンス企業には、市場シェアをはじめ、ブランドロイヤルティ、収益性の拡大につながる大きな機会がもたらされるはずです。

アクセンチュアが提供するエンドツーエンドのサプライチェーン戦略と変革サポートは、組織のサイロを解消し、インテリジェントで透明性と順応性に優れた「インサイトドリブン」の統合サプライチェーンの構築を実現します。

私たちの調査では、製薬会社、バイオファーマ企業、および医療機器メーカーのサプライチェーン部門の幹部の60％が、社外の製造パートナーに関してリアルタイムの在庫把握および可視性の確保が難しいと回答しています。にもかかわらず、ほぼすべての幹部は、今後3年間で外部パートナーの利用を拡大する計画があると回答しています。そのためライフサイエンス企業には、これらの成長戦略とサプライチェーン部門の複雑化を背景に、まったく新しいアプローチによる協働体制が求められています。新たなアプローチによる協働を推進することで、ライフサイエンス企業は「ニューサイエンス」に対するニーズや、パーソナライズされた治療・医療機器に対するニーズに効果的に応えられるようになります。

本レポートは、ライフサイエンス企業とそのパートナー企業が直面している課題の類似点と相違点に焦点を当て、両者の協働体制が抱える問題点をデジタルテクノロジーで解決する方法を、具体的な事例に基づいてご紹介します。また、課題の解決に成功している企業のケースを考察し、サプライチェーンの協働を新たなレベルに引き上げるための4つの重要なステップもご紹介します。