五十嵐:稲田さんの言葉の端々から、会社全体でデジタルトランスフォーメーションをやるんだという強い意志が伝わってきます。しかし、デジタル人材が急に育つわけではありません。
稲田:これまでにも社内でデータアナリストの育成を進めてきましたが、その延長線上ではスピードが追いつきません。前進することはできても、ライバル企業を圧倒するスピードでなければ意味がないのです。そこで非連続な体制強化が必要と考え、アクセンチュアさんとの協業により、デジタルの専門家集団としてのK4Digitalを設立することにしました。
五十嵐:アクセンチュア自体が、約6年近く前からDXに舵を切りました。何と、デジタル関連の売上げが、昨年度ついに全体の50%を超えました。つまり、デジタル絡みの仕事が、いまや多いということです。そういった中で、さまざまなタイプのスキルを持った人材が必要であるということを認識し、育成や再教育をしてきました。
稲田:パートナーとしての御社の魅力は、最新デジタル技術に関する知識・情報が豊富であり、高度なデジタル人材を多数有していること。それに加えて、グローバルでエネルギー業界に精通しているということです。
五十嵐:ありがとうございます。アクセンチュアには、データサイエンティストやAI、ブロックチェーン、量子コンピューティングなどの先端技術に精通した人材から、デザインやカスタマーエクスペリエンスに精通した人材がおり、チームを組んで支援をさせていただいています。
DXで重要なのは、良質なデータを収集・蓄積して活用することに加え、いかに各事業部門、ビジネスサイドと足並みを揃えるかだと思います。その点についてはいかがでしょう。
稲田:高度で専門的なデジタル技術を有する人材をK4Digitalで確保・育成して、そのK4DigitalがDXの主役である各ビジネス部門を能動的にサポートするという体制でやっています。技術的なサポートによるPoC(Proof of Concept:概念実証)の推進にとどまらず、各ビジネス部門のDX計画策定やデジタル人材育成もサポートする。決して受動的なサポートではなく、あくまでもK4Digitalのお客さまであるビジネス部門とともに、ビジネス課題を明確にし、デジタル技術の活用テーマを掘り起こして、PoCをスピーディーに回していくという、提案コンサル型の能動的なサポートがポイントだと思っています。