あらゆる業界の企業は、顧客サービスの向上、効率性の向上、従業員の能力向上など、様々な目的でAIに依存し、投資しています。このようにAIはますます重要視されていますが、ほとんどの組織は表面的な導入をするのがやっとの状態です。AIの可能性を最大限に活用し、自社の投資を生かしているとは言いきれません。
2021年、世界の大企業2,000社(時価総額ベース)の経営者のうち、決算説明会でAIについて議論した企業は、自社の株価上昇率が2018年の23%から40%に上がったそうです。しかし、アクセンチュアが約1,200社を対象に行った詳しい分析によると、AIを競争優位に繋げられるほど「AI活用浸透度」を高めた企業は、わずか12%にすぎません。後にも述べますが、「AI活用浸透度」とは、企業がどのくらいAI関連のケイパビリティー(企業全体の組織的能力)を適切な組み合わせでマスターし、同業他社をしのぐ成果を達成しているのかの度合いを示すものです。同調査では、浸透度指標で基準スコア以上を達成した12%の企業を「AI活用先進企業」としていますが、これらの企業は、AIを原動力として平均30%近くの総収益を創出しています。パンデミック前(2019年)においても、同業他社と比べ概して50%増の収益成長を遂げています。その上、これらの企業は顧客体験と持続可能性の面でも優れていることが明らかになっています。
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同調査の中で構築した機械学習モデルによると、「AI活用先進企業」の割合は急速かつ大幅に増え、2024年までには現在の12%から27%へと2倍以上になることが予測されています。この情報が示唆するのは、AI活用浸透度を高めること、つまりAIを組織のあらゆる側面に組み込み、高いパフォーマンスを発揮することは、もはや選択肢ではないということです。これは、すべての業界、企業、リーダーが直面するチャレンジであり、同時に絶好の好機でもあるのです。