アクセンチュアのミッションはただ一つ、緊急搬送患者を適切な医療機関に迅速に搬送できるようにすること。これまでは、救急電話を受けてから患者を医療機関に搬送する一連の活動は、それぞれの機関でデータを入力・管理する複雑なプロセスで行われていました。このため、バラバラなデータを処理しなければならず、最適な救急搬送先を検出することは非常に難易度の高いものでした。改善のためには、患者の場所や傷病の状況、専門医師の対応可否、最適な搬送ルートの検索まで、あらゆる情報をリアルタイムで取得することが求められていました。さらに、プロセス全体の効率化にあたっては、これらの要素が果たすそれぞれの役割を把握する必要がありました。一刻を争う救急の場面においては、わずかな改善でも大きな効果をもたらすからです。
アクセンチュアはリキッド・ワークフォースを活用し、米国と日本から最適な人材を集め、IT技術を活用することで地域の垣根を越えた専門家によるチームを結成しました。このグローバルなチームは、佐賀県の救急車に配備されたiPadから収集された15万件の搬送データを分析しました。さらに医療機関が入力した膨大なデータと組み合わせ、人工知能と機械学習を用いて分析を行った結果、自治体、医療機関、および救急隊との間の連携を改善する新たな可能性を発見しました。緊急患者の受け入れ困難となる数が40%削減され、平均搬送時間は1.3分短縮できる可能性が示されたのです。人命救助においては、わずか数秒の時間短縮であっても重要な意味をもちます。