このプロジェクトは、最先端のテクノロジーとビジネスへの適用、ビジネスデザインに関する知見を備えたアクセンチュアのエキスパートチームとAIBとの緊密な協働によって進められました。AIBが責任をもって正確かつ効果的にAIを全社規模で活用する上での課題への理解を深め、それらの克服に取り組みました。
アクセンチュアはR&Dラボにおける調査研究をもとに、クライアント企業との協業を通じて、学術的な研究成果を実際のビジネスのユースケースに直ちに応用することができます。
アクセンチュアとAIBのメンバーで構成させるプロジェクトチームは、バンキング業界におけるアルゴリズムの公平性を評価するモデルに、新たな手法を適用することにしました。アクセンチュアのレスポンシブルAIチームが英国のアラン・チューリング研究所と共同で行った1週間のハッカソンの成果をもとに、新たな評価手法に必要なツールの開発とテストを分野横断的なアプローチで実施しました。
このアルゴリズムの公平性評価ツールは、データサイエンティストやビジネスユーザーが実際の課題に応用することができ、プロジェクトチームはPoC(概念実証)で得られた知見をビジネスのユースケースに当てはめていきました。そこへマーケットで使われているデータサイエンスツールを統合して、既存のワークフローに公平性分析のプロセスを追加しました。
分析結果はビジネスユーザー用のリポジトリに保存され、ビジネスユーザーは保存された分析結果をその他のステークホルダーと共有して、意思決定に役立てることができます。
アクセンチュアとAIBはツールの有効性を検証した上で、公平性の評価を行い、開発中の2つの新たなモデルにおけるバイアスを低減するには何が必要かを分野横断的に分析しました。その結果、現在のモデル開発プロセスにおけるいくつかの問題点が明らかになりました。この知見をもとに、チームはさらにバイアスの発生しそうな領域の調査を進め、モデル開発プロセスの意思決定の見直しと改善を行いました。
結果として、AIBはアルゴリズムの公平性評価ツールを活用することで、自社のデータとモデルが生み出す結果を公平性の観点からより深く理解できるようになりました。また、モデル開発中に混入するバイアスをさらに低減し、最終的なモデルの公平性に対して強い自信が持てるようになっています。