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ブログ

エンタープライズレベルでの「自律化」の世界の実現に向けて ~アクセンチュア Oracle グループの組織や注力領域のご紹介~

所要時間:約5分

2023/02/09

テクノロジー コンサルティング本部 Oracleビジネスインテグレーション グループ(以下Oracle グループ) に所属しているマネジング・ディレクターの新居 利彦です。

今回初めての投稿となりますので、我々の組織のご紹介、我々の強みとする注力領域の紹介や今後の目指すべき方向性について述べさせていただきます。

Oracleグループの興り

アクセンチュアはお客様に対しエンタープライズレベルでの業務変革を推進し、競争力の維持・向上にむけ、エンタープライズ全体のトランスフォーメーションを進めてきました。その中で、2000年代中盤に、OracleのERPパッケージであるE-Business Suite(以下Oracle EBS)やEPM製品であるHyperion、基幹業務に付随するデータベース分析基盤等についても専門性を高め、コンサルティング能力をさらに向上させる必要があるということで組織変更が発生し、Oracleグループが独立・組成されました。

今回の記事では、アクセンチュアが注力しているOracle ERP領域とOracle データベース/テクノロジー領域について述べていきます。

Oracle ERP領域

2000年代では、オンプレミスの全盛であり、SAPをはじめ他社のERPパッケージは内部がブラックボックス化されていることも多く、Oracle EBSはテーブル構造などが公開されているパッケージであったが故、他の製品よりカスタム開発がしやすいパッケージであるとアクセンチュアでは認識していました。「お客様の業務変革の方向性に即したシステムを構築できる」Oracle EBSの特性を活かし、エンタープライズレベルでのトランスフォーメーションを推進していました。

その後2010年代からERPパッケージのクラウド化が進み、2020年代の現在では、様々なERPのクラウドサービスが存在しています。その中で、OracleのERPサービスであるOracle Fusion Cloud ERP(以下、Fusion ERP)は、オンプレミス時代のOracle EBSの製品の機能をほぼカバーしている為、SaaS型ERPとしては、高い業務カバー率となっています。またSaaS型クラウドになる為、Oracle社がアプリケーションの機能を提供・維持運用・向上する側となり、利用者側はあくまでも「サービスを利用する」ことに集中できます。Fusion ERPの標準機能に業務を合わせる、いわゆる「Fit to Standard」を徹底できれば、SaaS特有の四半期Updateが「自動」でなされ、常に「最新の技術」で業務を遂行でき、大規模なバージョンアップの追加コストも抑えられるということになります。

Oracle Fusion Cloud ERP
Oracle Fusion Cloud ERP

ここのポイントは、あくまでも「Fit to Standard」で業務を「合わせきれれば」メリットを享受できるという点です。エンタープライズ全体を鑑みた場合、当然、業界特有な業務や他社に比べて競争優位性が高い業務については、「合わせきる」ことはできないでしょう。このケースでは、アクセンチュアはSaaSとPaaSを連動させるアクセンチュアの持つデータ連携アセットの利用を提案します。これにより「標準を使い倒すSaaSの世界」と「自由にカスタマイズが可能なPaaSの世界」をシームレスに組み合わせることができます。例えばバックオフィスの業務は極力標準化を推し進めつつ、本当に必要不可欠な競争力の源泉となる機能だけを作り込むことで、「メリハリ」をつけた導入ができます。

Oracle Fusion Cloud ERP (SaaS)
Oracle Fusion Cloud ERP (SaaS)

あわせて、アクセンチュアは業務の「Fit to Standard」を推進するコンサルテーションも行います。カスタマイズ(=従来型ERPでのアドオン開発)が膨れ上がらない手法やトップの意向を現業に落とし込むナレッジも保持しています。

これらが他社にはないアクセンチュアの強みであると考えます。

Oracleデータベース/Oracle テクノロジー領域(OCI)

Oracleのデータベースやテクノロジー領域は、オンプレミスの時代から、大量データを処理することを非常に得意としており、それは、クラウド化されたOracle Cloud Infrastructure(OCI)でも変わっていません。オンプレミスで大量データ処理をOracle製品/サービスで実施しているケースは依然として多く存在しますが、クラウド移行に成功した案件も増えてきています。

「脱Oracle」の流れが一部ありますが、例えば全てAWS/Azure 等に移行すると、オンプレミスの重量級ワークロードが処理できず失敗し、結局、Oracle製品/サービスに回帰する例もでてきています。重量級ワークロードはOracle製品/サービスに任せつつ、クラウドネイティブのアプリケーションは成熟した他のクラウドプラットフォーム等と組み合わせる「マルチクラウド」が一つポイントになってきます。

アクセンチュアの事例としてもマルチクラウドの検討依頼や事例が増えてきています。

Oracle Cloud Infrastructure
Oracle Cloud Infrastructure

データベースでは、Oracleは従来型の重量級ワークロードを処理することが得意なデータベースをさらに進化させ、業界唯一、「自己」駆動型・「自己」パッチ適用型・「自己」保護型のクラウド データベースであるOracle Autonomous Databaseを提供しています。

従来型の重量級ワークロードをシビアな条件の中で対応できるデータベースのクラウドサービスとしてOracle Exadata Cloud Serviceも存在しますが、Oracle Autonomous Database(ADB)では、大量データ処理だけでなく「自己自律」型のクラウドデータベースを実装しています。

<ADBの特長>

  • リソース追加が動的に対応可能で、かつ容易な為、負荷に応じたスケーリングが可能
  • サービス変更だけで特別なチューニングがある程度まで可能で、処理のパラレル化も自動適用される
  • 瞬断は発生するものの、週次で自動メンテナンスが適用される

アクセンチュアは、以下のような事例でADBのメリットを大きく享受できるのではと考えます。

  • 重量級のワークロードが発生し、かつ高頻度でチューニングしているオンプレミスのDWHのデータベースのクラウド化
  • ある時間帯のトランザクション処理は大量だが別の時間帯は少ないデータベースのクラウド化 (月末・月初と月中、夜間と日中など、処理量が大きく異なるケース等)

まとめ

前述のように、四半期Updateが「自動」で適用されるSaaS型のERPや、「自己自律」型のAutonomous Databaseに見られるように、Oracleは利用者側が「手間いらず」で、製品/サービス側がすべて自動で行ってくれる「自己自立型の世界」を実現しようとしているのではないか、とアクセンチュアは捉えています。その方向性は今後の世界観として目指すべき方向性の一つであると考えます。

本稿が皆様のお役に立つことができれば幸いです。

お問い合わせ:info.tokyo@accenture.com

リンク

アクセンチュア テクノロジー採用トップ

https://www.accenture.com/jp-ja/careers/explore-careers/area-of-interest/technology-careers

アクセンチュア 事例紹介

https://www.accenture.com/jp-ja/about/company/japan-client-stories-index

Accenture + Oracleに関する詳細はこちら

https://www.accenture.com/jp-ja/services/oracle-index

WRITTEN BY

新居 利彦

テクノロジー コンサルティング本部 Oracleビジネスインテグレーション グループ マネジング・ディレクター