シンプルにする：簡単であること

人々は公共機関における複雑な手続きに不満を感じています。よりシンプルな公共サービス体験を市民に提供するために、何年もかかるような大規模な変革は必要ありません。

公共サービスを利用する際に、人々が最も不満に感じていることは、「手続きが分かりづらく、時間がかかる」ということです。「どの書類が必要で、何から取りかかればよいか分からない」と感じている人もいます。公共機関の職員もサービスプロセスに課題があることを認識しており、質の高いサービスを提供するための最大の障壁は、「非効率的かつ頻繁に変更が生じる公共サービスのプロセス」にあると指摘しています。

公共サービスを利用する際の手続きをシンプルにするほど、公共機関のコンプライアンスと成果が向上する可能性が高くなります。迷路のように複雑なプロセスでは、一度の利用で問題を解決することは不可能です。市民が求める回答を得ることも、必要な条件を満たすことも難しくする上、業務の負担が増え続ける職員は大きなストレスを抱えることになります。シンプルなサービスを提供することは、市民にとっても、職員にとっても極めて重要なのです。

わざわざ複雑な体験を提供しようと考える組織はありません。どのような組織でも、さまざまな要因が重なってプロセスが複雑化した結果、問題を悪化させてしまっているのです。複雑さを根本的に解消するためには、時間と費用を要する大規模な変革が必要です。

しかし、手頃なコストで手っ取り早く大きな変化を生み出す方法があります。例えば、自動音声応答（IVR）のフローを見直したり、窓口を担当する職員向けの研修を開催したり、サービス利用者に向けたメッセージを改善したりすることで、既存のプロセスを修正していく方法です。