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2030年に向けたアジェンダの再考

レジリエンス、成長、サステナビリティの実現に向けた世界の道筋を解き明かす

概要

国連グローバル・コンパクト（UNGC）とアクセンチュアが実施した「サステナビリティに関するCEO調査」では、128カ国・18業種の2,600人以上のCEOから得られた見解と課題解決に向けた必須アクションが掲載されています。

CEOは、ビジネス戦略と紐づいたサステナビリティ戦略こそが、近年の経済的・地政学的リスクや不安定な経営環境から身を守る基盤であると考えます。サステナビリティを核とした戦略やビジネスモデルは、気候変動対策のみならず、安全保障、成長、レジリエンス構築の基盤なのです。

本レポートでは、ビジネスリーダーが今日直面している無数の課題と、サステナビリティを事業全体に取り込み、不安定な環境の中でも経営を前進させる機会について、考察します。

主な調査結果

  • 世界規模で混乱が続く中、今までよりも更に高い不確実性に対処することを余儀なくされている。
  • 国連の持続可能な開発目標（SDGs）に引き続きコミットしているものの、目標を達成するためにはさらなるアクションが必要であると警鐘を鳴らしている。
  • サステナビリティをビジネス全体に根付かせ、リーダーシップを強化、エコシステムとの連携を強固にすることで、レジリエンスを高めている。
  • SDGs達成のための新しいロードマップを求め、より持続可能な経済への移行を加速させるよう政府に要請している。

要点抜粋版レポート：2030年に向けたアジェンダの再考（英語）

Reimagining the agenda

軌道から外れるサステナビリティアジェンダ

世界的課題に次々と対処しているものの、多くは従来のビジネスに関連したものではない。

地政学的な不安定さと気候変動危機は、課題への影響をさらに強めている。

生物多様性の保護は、民間企業の課題として低い水準にとどまるが、結果として劇的なインパクトをもたらす可能性がある。

83%のCEOが、現在の地政学的な不安定さがSDGsの達成を阻んでいると感じている。

サステナビリティがレジリエンスの核となる

サステナビリティのビジネスケースは明確であり、CEOは行動を起こす準備ができています。サステナビリティは、レジリエンスを構築し、新たな成長機会を見出す基盤として受け入れられています。

サステナビリティの定着

世界的な不確実性に直面する中でもレジリエンスを高めるため、サプライチェーンを再構築し、可視性の向上と脱炭素化に取り組んでいる。

全従業員がレジリエンスを高める重要な要素であると認識している。多様な人材を惹きつけると同時に、従業員のスキルアップとリスキルを行い、公正な移行をサポートしている。

より大きな責任を負い、持続可能な未来への道を切り開くため、政府などのステークホルダーに支援を求めている。

レジリエンスに不可欠な要素

サステナビリティを中核に据えた企業は、より強靭で競争力のある未来への道筋を描くことができます。ここでは、サステナビリティを核に、テクノロジーによって推進される15の主要なアクションをご紹介しましょう。

CEOが政策側に求めること

2030年までにインパクトを最大化するため、企業は各国政府に対して明確な方向性を示し、民間企業が野心的な目標を達成できるよう支援、実現することを要請しています。これには10の重要な政策アクションが含まれます。

NDCs（国が決定する貢献）を1.5度シナリオに合わせる

カーボンプライシングに関してグローバル共通の目標設定に協力する

生物多様性に関する世界共通のフレームワークを実現する

適応ファイナンスへの投資を倍増するために行動する

イノベーションを促進するための規制システムを調整する

ESG報告フレームワークを標準化する

サーキュラー・エコノミーを実現する

持続可能な基本インフラへ投資する

公正な移行に向けた政策を支援する

中小企業へ教育・資金提供を行う

アサヒグループの取り組み オープンイノベーションを世界に

アサヒグループホールディングスは、より強靭なコミュニティを形成すべく、イノベーションを自社に閉じることなく世界と共有しています。企業はイノベーションのオープンソース化によって、より機敏且つ効率的に世界の喫緊の課題に取り組み、より深いイノベーションを起こすことができるのです。

アサヒビール茨城工場では、工場排水由来のバイオメタンガスを利用して燃料電池で発電する独自のプロセスを開発しました。同社は特許を取得することなく情報を公開してこの技術を幅広く普及させていこうとしており、すでに同社のパートナーや競合他社の多くが関心を示しています。

さらに、アサヒグループは、一企業でできることには限りがあるため、政府とのパートナーシップによってインパクトを拡大しようとしています。JAぎふと共同でビールの醸造工程から出る副産物を使用して、ジャンボタニシ（スクミリンゴガイ）のような稲の根を食べる種から水田を保護することに成功しました。この副産物は無毒で、他の肥料のように生物多様性に悪影響を与えることはありません。この技術は、同じような問題を抱えていたオーストラリアの農業従事者にも共有され、その効果を世界へ拡大させています。

チーム紹介

海老原 城一

執行役員　ビジネス コンサルティング本部　サステナビリティグループ日本統括　兼　アクセンチュア・イノベーションセンター福島　センター共同統括

Michael D. Hughes

Director – Sustainability Strategy & UN Programs Lead
LinkedIn

Emilia Hull

Manager – Sustainability Strategy & Study Lead
LinkedIn

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