エンタープライズ・アーキテクチャーの全社改革における主要ファクターの1つが、既存IT環境の構造改革です。新規事業の成長を加速させる新たなシステムの構築を目指そうとしても、極度に複雑化・巨大化してしまった既存システム環境に新システムをそのまま乗せることは極めて困難だといえます。一方で全システムを再構築することも現実的ではありません。稼働中のITシステムやインフラ基盤を厳しい目で選別し、再利用する部分と破棄する部分を見定め、その上で再構築する領域や新たに構築する領域を識別し、既存IT環境の最適化をはかることが取り組みの第一歩です。
しかし、レガシー刷新だけをエンタープライズ・アーキテクチャーの取り組みである、と捉えるのは早計です。 デジタル時代の到来を受け、これまで人間が行っていた業務の一部をIoTやAIが担うことによるビジネスプロセス自体の見直しや、データドリブン経営を支えるデータ活用基盤の構築、ビジネス環境の目まぐるしい変化に対応するためのアジャイル型への転換や伸縮性の高いクラウドへのインフラ移行など、真の全社規模のデジタル化と事業転換を実現するには、複層的な取り組みを全社規模かつ同時並行で進めなければなりません。
併せて、DX推進のための組織ガバナンスやルールの変革、人材・組織の改革、企業カルチャーやプロセス、ルールの全方位的な刷新も必要です。
上記のテーマを俯瞰すると、エンタープライズ・アーキテクチャーの取り組みを非常に難易度の高い取り組みに感じられるかもしれません。事実、これらの取り組みは小手先で行う一過性のものではなく、お客様側のCEOクラスが主導・旗振り役となるプロジェクトとなります。
アクセンチュアはグローバルでこうしたお客様企業の変革をご支援し、大規模変革のパートナーとして数々のプロジェクトを伴走してきた実績と知見を有しています。お客様の将来を見据えたビジョンの検討、具体論である中期経営計画で達成すべき目標の設定、各期の改革テーマへの分割と現場での実行まで、全フェーズに渡って伴走いたします。