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DXの価値を最大化する「全社DXガバナンス」 に関する出版物のご案内

所要時間:約5分

2022/11/17

書籍 『DXリスクマネジメント』(東洋経済新報社2022/11/25)を上梓しました。ぜひご一読ください。

Amazon書籍サイト: DXリスクマネジメント: DX成功のマインドと戦略的アプローチ – 大茂 幸子 (著)

アクセンチュア書籍一覧 :書籍紹介|アクセンチュア

DXリスクマネジメント: DX成功のマインドと戦略的アプローチ
DXリスクマネジメント: DX成功のマインドと戦略的アプローチ

なぜ、多くの大企業でDXプロジェクトは進展しないのか?

企業がDXを行うべき理由は、テクノロジーを活用して新たな価値を生み、持続的に成長・発展していくことにあります。流行ではなく、DXの本質にベクトルを合わせて企業価値創造を最大化することを目的とした本書は、DX成功のためのガバナンスに必要なDXリスクマネジメント「20の原則」を記載しています。

DXによる価値創造の基礎となる経営管理手法「20の原則」

企業は、この「20の原則」の採用により、DXによる価値創造の仕組みを整えることが可能となります。DXを成功させるためには、全社を通して限られた経営資源を効果的・効率的に活用するためのマネジメントシステム(経営管理手法)を備える必要があります。

DX 推進に不可欠な「DXリスクマネジメント」

「すべてのビジネスがデジタルビジネス」の時代に、自社の競争優位を確立していくためには、テクノロジーを中心に据えて、企業全体をデジタル時代の仕様へと再構築していく必要がありますが、DXというダイナミックな変革を実現する過程には、さまざまな阻害要因が生じます。このDXの不確実性(リスク=機会と脅威)を乗り越えて成功を収めるためには、複雑で中長期にわたるDXを安全かつ成功裏に進めていくリスクマネジメントは不可欠です。

「DXリスクマネジメント」は経営トップのリーダーシップのもとに、DXによる新たな価値創造を目的とする全社にわたる活動です。DXの戦略・実行タスク・各種目標に対して、組織はパフォーマンスをより向上させるため、DX推進を通して検証し見直す必要がありますが、そのためのマネジメント・フレームワークがDXリスクマネジメントの枠組みにあたります。

健全なリスクテイクとDX

多くの企業にとってDXは未経験の取り組みです。新しい事業はすべて未知の世界であり、未知数ということはリスク(機会と脅威)があるということです。企業にはDX推進においても、ガバナンス(企業統治)そしてリスクマネジメント機能(内部統制)を発揮させることで、危険な賭けや投機とは異なる、健全なリスクテイクを推し進めていくことが期待されています。

DXに取り組む企業に向けて、DX推進のヒントとなる多岐にわたる情報を収録

組織がDXの本質を理解していなければ、リスクマネジメントの仕組みを入れたとしても上手く機能せず、DXの目標達成も容易ではありません。DXの本質を理解するには「デジタルテクノロジー」に関する情報に加えて、企業を取り巻く「ビジネス環境へのインパクト(影響)」も同時に押さえることが不可欠です。

そのため本書では「序章」「第1章」「第2章」「第3章」にわたり、テクノロジーの変化がもたらすビジネスへの影響について多面的な情報を提供し、DXの姿を捉えた上で、「第4章DXリスクマネジメント」へ進む構成となっています。

[目次]
序  章 DX成功のマインドセット
                       ――リスクベースで捉える
第1章 新経済パラダイムとDX
                       ――チャンスとリスクに気づく
第2章 DXの戦略的条件
                       ――成功パターンを認識する
第3章 DXのロードマップ
                       ――実現アプローチを理解する
第4章 DXリスクマネジメント
                       ――価値創造を確実にする
付録 A DXのロードマップ
付録 B DXの役割・責任

今こそDXの再点検を

グローバル化の進展やデジタル革命により経営環境が急激に変化する中、企業はこれまでのオペレーティング・モデルから、デジタル時代の新たなモデルへの「変容」の旅を、一刻も早く始めることを迫られています。DXが単なるデジタルテクノロジーの導入ではなく組織のトランスフォーメーションを必要とする理由はここにあります。

経済産業省「DXレポート(2018年9月)」では、「2025年の崖」の言葉でアラートが発せられました。日本企業のDXが進展しなければ、最大で年間12兆円の経済損失が生じるというリスクシナリオです。コロナ禍による外出自粛やテレワーク化などを背景に、DXに本腰を入れ始めた日本企業は増えましたが、日本経済の競争力を牽引するような価値創出の段階に未だに達していない現実があります。

4年経過した今、日本企業のDXを改めて見直す時が来ています。本書がDX成功のお役に立てれば幸いです。

筆者

大茂 幸子

テクノロジー コンサルティング本部 セキュリティ グループ マネジング・ディレクター