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ブログ

トランスフォーメーションサービスとしてのBPO活用

所要時間:約3分

2022/11/15

オペレーションズコンサルティング本部 トランスフォーメーショングループを統括しているマネジング・ディレクターの原仁志です。クライアントの経営課題を解決するために、日々BPOサービスを中核に据えたトランスフォーメーションサービスのソリューション設計から変革の実現、価値の創出まで一貫して取組んでいます。

BPOではないBPOサービス

普段クライアントエグゼクティブに我々のサービスを紹介すると、会話の初期では、そのBPO(Business Process Outsourcing)という名称から、「コスト削減や自社社員の余力創出を目的とした、間接業務や非付加価値業務のアウトソーシング」とイメージされるケースが多い。

しかし、サービスを紹介してくにつれ、「我々のBPOサービスがBPOという名称ではあるものの、間接業務・非付加価値業務を安く受けるのではなく、BPOというサービスを通じて、請負型で企業変革をお受けするサービス」と理解頂けると、そこから話が大きく広がるケースが多い。

ビジネス面では、単なるコスト削減や効率化ではなく、サービスの高度化やマーケティング・営業機能強化、更には新規ビジネス・サービスの立上げといった経営課題の解決を。 組織・人材面では、単なる社員の余力創出(または人員削減)ではなく、人材改革を通じた社員の高度化や、更には自社の枠を超えた場での社員の活躍と言った経営課題の解決を、アクセンチュアのBPOというサービスを通じて実現する事が可能となる。 (実際にはデジタル・IT面での経営課題も併せて議論したいと言われるケースも多いが、ケースが複雑化しすぎるため今回は割愛。)

様々な経営課題の組合せに応えるBPOサービス

上記で触れたビジネスと組織・人材面での経営課題の組合せにより、アクセンチュアがBPOとして提供するサービスのパターンを、①従来型BPO、②トランスフォーメーション型BPO、③共創型BPOと分類した上で、それぞれのサービスの特徴を簡単に紹介したいと思います。

経営課題に応じたBPOサービスのパターン

経営課題に応じたBPOサービスのパターン
経営課題に応じたBPOサービスのパターン

① 従来型BPO

目的は従来と変わらず効率化・コスト削減や自社中核社員の余力創出・人員削減となりますが、BPOサービスとして提供するソリューションは大きく変わっています。

一昔前であれば既存の業務をリフト&シフトで中国などのオフショアに移管すれば人件費差もあり比較的容易にコスト削減メリットを享受できていました。 しかし、昨今のインフレ、為替変動、地政学リスクの高まりを受け、ロケーションは国内サービスを前提に、効率化のレバーは人件費差ではなく「BPR×DXを通じた抜本的な業務効率化」へとシフトしてきています。

また、BPOサービスとして効率化を検討するスコープも、BPOで業務をお預かりする範囲だけではなく、クライアント企業に残る社員業務、対顧客接点業務、取引先業務まで含めた本当のエンドツーエンドでのスコープでの改革をお請けしています。

そのため従来型BPOとはいえ、アウトソーシングして終わりというより、アウトソーシングする事がオペレーション改革・効率化の始まりとなります。

② トランスフォーメーション型BPO

目的は効率化を含む場合もありますが、既存ビジネス・サービスの機能強化であったり、それらに携わる人材そのものの改革・高度化となります。

例えば、COVIDの影響や、デジタルの浸透により、自社の旧来型の対面を前提としたチャネル・サービスを、デジタル中心の非対面チャネル・サービスにシフトする際に、アクセンチュアにて旧来のオペレーション(場合によっては人材も)をお預かりしたうえで、アクセンチュアの責任においてオペレーション、サービスのデジタルシフトを実現します。

また、オペレーション・サービスをデジタルシフトするだけではなく、アクセンチュアの提供するリスキリングサービスや、デジタルシフトをお請けしたBPOでの伴走を通じてクライアント企業の人材のデジタルシフトも併せて支援します。

③ 共創型BPO

目的はこれまで全くなかったビジネスやサービスを立ち上げたり、自社の枠を超えて社員の活躍の場を検討する事となります。

この共創型BPOでは、業務の効率化や高度化をアクセンチュアにアウトソーシングするというより、事業のパートナーとしてこれまで無かったサービスや、社員の活躍の場を創り出します。

例えば、業界共通の課題を解決するための新サービスや業界共通プラットフォームを、クライアント起業とアクセンチュアが協業して立上げ、そのプラットフォームにクライアント社員が転籍したうえでアクセンチュアとの協業やリスキリングにより自社内にとどまらないキャリア機会を提供します。

まとめ

我々の接するクライアント企業は、マーケットの変化、テクノロジーの進歩、競争環境の変化、とこれまでにないスピード×マグニチュードでの変革を求められています。

これら全てを自社要員で内製化して進める事はケイパビリティ的にも実現スピード的にも制約の大きい選択肢ですし、コンサルティングの支援と仰いでも最後の実行責任や実行体制上の制約は残る上、トランスフォーメーションの投資がアップフロントで重く圧し掛かります。

アクセンチュアの提供するBPOは単なる業務のアウトソーシングではなく、企業の様々な経営課題を解決するための請負型のトランスフォーメーションサービスである旨紹介しました。 この請負型トランスフォーメーションサービスが、まさしく現在我々のクライアント企業が置かれた難局面を打開します。

今回は大枠でのアクセンチュアのBPOサービスの特徴を紹介しましがが、次回以降では具体的な取組を紹介していきたいと思います。

筆者

原 仁志

オペレーションズ コンサルティング本部 ビジネストランスフォーメーション グループリード マネジング・ディレクター