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事例紹介

MQDC:メタバース空間でのウェルビーイング実現

仮想空間上に広がる宇宙が現実世界に及ぼす影響

所要時間:約5分

課題―求める変化

メタバースの新たなビジョン

現実世界とデジタル世界が融合し、人々は物理的空間と仮想空間をシームレスに行き来しながら生活し、働くー。かつてSF小説の中で語られてきたことが、メタバースの具現化に伴い現実味を帯びつつあります。急速に進化するテクノロジーがもたらす可能性を探る中、企業は「このテクノロジーは良い方向に向かうのだろうか?」と自問自答を繰り返しています。

そうした疑問に応えることこそが、自社の使命の核心だと考えている企業があります。タイを拠点とする不動産開発会社Magnolia Quality Development Corporation (MQDC)社です。MQDCは、サステナビリティ、スマートデザイン、健康的な暮らしを取り入れた革新的な住宅や複合施設に長年注力をしてきました。同社は、”for all well-being:あらゆるウェルビーイングのために“というブランド・プロミスを掲げています。そして、単に人が住める居住地を作るのではなく、人々の生活様式をより良いものに変える空間を生み出すことを目指しています。現在、MQDCではこうした取り組みを、メタバース技術、そして場合によってはWeb3技術を活用することで拡張し、オンラインとオフラインの体験の溝を埋めようと考えています。データ、デジタル・ツイン、モノのインターネット(IoT)といった様々なイノベーションを駆使して、バーチャルな世界を現実の住宅地や店舗スペースにつなげることで、同社はより充実したライフスタイルを実現し、同時にビジネスチャンスをつかもうとしています。

タイにおいて“metta:メタ”は寛大さや優しさを意味します。MQDCは、テクノロジーだけに注目をするのではなく、人間性を前面に押し出した初の「メタバース」、つまり、寛大かつ優しい“善”のメタバースである“Idyllias:イディリアス”を作ろうと考えています。大小、現実・バーチャルを問わず、あらゆるポジティブな行動が、生きている世界のウェルビーイングに影響を与えるものなのです。

一方で、大きなアイデアには大きな課題が伴います。イディリアスのような壮大な創造力あふれる世界を掲げたプロジェクトを成功させるためには、ある意味現実にしっかりと根ざしたものである必要があります。MQDCは、過去のプロジェクトでアクセンチュアと協業をしてきました。そして今、アクセンチュアにおいてメタバース関連スキルを有する人材が増える中、アクセンチュアがMQDCの想像力に満ちた大きな野望を後押しできると信じています。

取り組み―技術と人間の創意工夫

ファンタジーを現実に

MQDCは、社会的インパクトとビジネス成果獲得の双方を実現できる体験の場としてのイディリアス構築を目指しています。また、アクセンチュアのブランド・マネジメント、事業開発、デジタル・マーケティング、データ分析などの能力を活用して、創造的ビジョンを実現するためのオペレーションや財務モデルを決めると共に、クリエイター、アーティスト、自然愛好家、一般的な「人生愛好家」といったターゲット層にリーチするための方法を検討しました。

プロジェクトチームでは、イディリアス及びMQDCのその他の広いメタバースを自立した事業として確立することに注力をしました。そして、イディリアスを実現するための基礎となるストーリーや価値観、それを実現するためのアーキテクチャ、ブランディング素材、テクノロジー・サービスを構築しました。その結果、インフラ、決済システム、コンテンツ開発、エクスペリエンス・デザインを含むエコシステム全体のロードマップが定義されました。

イディリアス内でつながりあった場所やスペースは、実生活でのイベントや活動ともリンクします。例えば、イディリアスに入居するバンコクの住宅開発「ザ・フォレスティアス」では、リサイクルやコミュニティ参加などの行動に応じてポイントを獲得でき、そのポイントはサンゴ保護や野生生物保護活動などの環境プログラムを支援するために還元されます。フォレスティアスは、自然の生態系と持続可能性のための革新的なテクノロジーを統合したり、物理的な体験とバーチャルな体験を組み合わせたりすることで、スマートな生活を実現するとともに、direct-to-avatar commerce(ダイレクト・トゥ・アバター・コマース)やゲーミフィケーションを可能にする初のプロジェクトとなります。

成果―創出された価値

オンラインとオフラインにおける“善”の世界

MQDCのメタバース発表会では、イディリアスが紹介され、幸福、ウェルビーイング、ポジティブな社会的インパクトに焦点を当てた「善のためのメタバース」を初めて目にすることができました。イディリアスの原動力となっているのは、CERISと呼ばれる報酬システムで、参加者は善行や親切心、価値ある貢献に対して報酬を得ることができます。CERISとは、私たちの内と外の世界を動かす愛に満ちたエネルギーであり、買うことはできません。貢献することで得られるCERISの報酬は、最終的にはメタバース環境内で換金可能だが、現実世界の慈善活動や環境保護活動に役立てることもできます。イディリアスで善を行うことは、メタバース内だけでなく、オフラインの世界でもプラスの結果に拡大することができます。

ユーザーは現在、このウェブサイトにアクセスし、一連の質問に答えてオーラの特性を決定し、イディリアスの正式な市民となる「オーラセントセレモニー」に参加することができます。

MQDCのメタバースは、強固なビジネス・モデルによって、物理的世界とデジタル世界を横断する体験を結びつけるとともに、イディリアスという創造的なイニシアチブによって、ユーザーや社会全体にポジティブな影響を与えるテクノロジーを形成していきます。

チーム紹介

Husin Adam
Managing Director – Products
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Hubert De Nie
Senior Manager – Strategy & Consulting
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Rama C.N.
Managing Director – Metaverse Continuum Business Group
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Graham Williams
Senior Manager & Principal Consultant – Metaverse Continuum Business Group
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Fay Lee
Associate Manager & Experience Design – Accenture Song
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Chantel Jiang
Management Consultant
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