アクセンチュアの役割
ITコスト・リスク評価のためのITデューデリジェンス
大正製薬から支援の依頼を受けたアクセンチュアM&Aプラクティスのチームは、買収前のITデューデリジェンスを実施し、UPSA社の主要なITシステムを把握の上で、移行・再構築に必要なコストの試算とリスクの評価、及びTSA締結に向けたTSA範囲と期間の妥当性の検証を行いました。
非常に限られた期間の中で、アクセンチュアのテクノロジーコンサルティングの知見も最大活用し、製薬知見・SI知見に基づく現実的なITコストの試算、及びシステム構築に必要な期間についての試算を行いました。
フランス現地オフィスとの混成チーム組成によるIT PMI
ITデューデリジェンスにてUPSA社のITシステムを把握した後、アクセンチュアは、買収後のITシステムのTo-BeデザインからTSA期間終了となる本番運用開始までトータルに支援するプロジェクトを立ち上げ、ITシステムのポスト・マージャー・インテグレーション(PMI:統合作業)に着手しました。
プロジェクトは、欧州地域のビジネス・法規制を理解したアクセンチュアのフランス現地チームとの混成チームを組成し、UPSA社・BMS社・大正製薬間でプロジェクトを進めるためのガバナンスを設計の上、UPSA社の事情や製薬業界固有要件を踏まえながら、マネジメント要件であるITシステムの簡素化・コスト削減の実現も視野に、TSA期間終了後にあるべきITシステムのデザインから着手しました。弊社製薬IT知見を最大活用しながら、UPSA社のITシステムに対し、グローバルスタンダートと照らし合わせた上でのTo-Beシステムの妥当性や、システムのマニュアル化、統廃合の余地を検討しながらデザインを行いました。また、その後はベンダー選定に向けたRFP(Request for Proposal:提案依頼書)の作成及び国内・国外を含むITベンダーの選定を行った上で、グローバルでの複数ベンダー管理をしながら、大規模かつ複雑度の高いシステムについて、システム間の依存関係なども把握し、要件定義から開発、テスト、移行、稼働までのプロジェクト管理及び稼働後支援を行いました。
また、ITオペレーティングモデル設計についてもアクセンチュアが支援を行い、統合後のIT組織のガバナンス及びITオペレーションの設計や、グローバルでのセキュリティポリシー策定について支援を行いました。