国内損害保険会社グループ各社はERM(戦略的リスク経営)の枠組みにおいて、重要なリスクに加えてエマージングリスクを定め、リスクが発現しないように制御、あるいは発現した場合の対策を検討している。
各社は、海外保険事業やデジタル事業などによる事業拡大を目指す一方、日本の人口減少に伴う国内損害保険事業のマーケット縮小に対し、新商品・サービスの開発は進めているものの、収益の源泉である保険契約を獲得する募集チャネルが抱える根源的課題に十分に対応しきれていない。
本稿では、「自動運転技術の進展」を損害保険事業の根幹に影響を与えるエマージングリスクの観点で捉え、募集チャネルに大きな変革をもたらすシナリオとその対策について考察する。