このトレンドでは所有することの基本概念が変化している点について論じています。顧客がデバイスを購入した後も企業がアップデートを加えることが容易になり、製品は常にベータ版であるという時代に突入しています。新型コロナウイルス(COVID-19)により、公衆衛生上アップデート可能なスマートデバイスに対するニーズが高まっている一方で、ベータ版に伴う足かせを取り除く必要があります。
短期的にはアップデート可能なスマートデバイスは新型コロナウイルス(COVID-19)対策ツールとなります。ベータ版に伴う足かせはなくなったわけではありませんが、新型コロナウイルス(COVID-19)への対応が一時的に優先されています。スマートヘルスデバイスは症状の特定、患者のモニタリングなどが可能で、研究者や政府の取り組みに対し、価値あるヘルスデータを豊富に提供しています。また多くのロボットデバイスが新型コロナウイルス(COVID-19)対策に向けてアップデートされており、公共スペースでの安全な距離の徹底、手指消毒剤のディスペンサーなどに利用されています。これまでスマートデバイスの別用途での活用や新機能の絶え間ないアップデートは、時として人々の足かせとなっていましたが、新型コロナウイルス(COVID-19)の状況下ではかつてないほど需要が高まっています。
一方で、長期的にはベータ版に伴う足かせの問題が再浮上してきます。デバイスを活用した新型コロナウイルス(COVID-19)対策の取り組みについては、プライバシーの問題が議論されており、多くの人が、将来にわたって自分のデータが意に反して利用されるのではないかと心配しています。企業は一線を踏み越えることなく新たな機能をデバイスに導入する方法を検討する必要があります。どのような意図であれ、一度顧客の信頼を損なってしまうと、享受できるメリットは短命に終わってしまうでしょう。