高橋 東洋大学様の幅広い部署の方々にご参加いただけたおかげです。開発メンバーが先走ることなく、360度のフィードバックを頂戴し続けられました。フェーズが進んでいくと、過去に議論して結論が出た内容であっても「変更すべき点」が見つかることはあります。その場合でも決定済みかどうかに固執せず、ベストプラクティスを検討し直しました。石川さんがおっしゃる通り、全員が意見を出し切り、責任をもって意思決定していましたし、開発メンバーの側でも柔軟に対応できる実装を意識していましたので過去の議論は常に有益であり、手戻りにも当たりません。本当に必要なことのみを取り込みながら機能をブラッシュアップしていく、アジャイルならではの柔軟な対応ができたと思っています。
また、このプロジェクトを通じて私たちは、Z世代(1990年代後半〜2010年代前半生まれ)である現役学生さんのスマホの使い方や価値観、考え方をたくさん吸収できました。
笠原氏 非同期型のチャットを使用したことで、ミーティングに同席できなくても発言できた点は効果的でした。
三田 技術やインフラ面で特に難所だったのは、認証基盤とのシステム間連携ですね。シングル・サインオンはアプリの使い勝手に影響する部分ですので、エンジニアが膝を詰めて解決に取り組みました。
高橋 大学の情報システムでは、授業に関するデータベースの取り扱いがプロジェクト進行上の肝になりますね。想定したデータの科目名や科目コードと異なっているケースを想定して、早めに実データに触れることがトラブル回避になると思います。
笠原氏 おっしゃる通りです。学務システムには、その大学の個性やユニークさが現れます。しかし、システムは複雑化しがちです。システム横断的なアプリの開発を機会とみて、棚下ろしするのが有効だと感じます。
石川氏 今回は複数のテストケースを用意したほか、UAT(ユーザー受け入れテスト)では本学の学生にも参加してもらいました。短期間でもテスト環境とテストフェーズをきちんと用意したことが成功要因でした。
大迫氏 テストフェーズで実際に学生にインストールしてもらったところ、「私の取っていない授業が表示されています」と指摘され、重大な問題回避につながりました。フィードバックと修正のループをきちんと持つことは重要でしょう。