日本の鉄鋼業界は約50年にわたって技術力と製品を磨き上げ、世界経済および日本社会の発展に貢献してきました。しかしこの完成されたビジネスモデルが強固であるがゆえに、デジタル化の推進やESG/サステナビリティへの対応で必要な柔軟性を欠いてしまっていることもまた事実です。いわば、イノベーションのジレンマともいえる身動きの取りにくい状態に日本の鉄鋼業界全体が陥っているといえます。
そうした日本の鉄鋼業界が直面しているマクロトレンドは次の7つであると、アクセンチュアでは分析しました。
①国内構造改革とM&Aによる海外展開
②川下産業とのコンバージェンス/ポートフォリオ経営の強化
③川下とのSCM連携強化
④異業種プレイヤー参入による競争激化
⑤高級鋼材へのシフト(差別化)
⑥持続的社会/循環型経済(脱炭素・スクラップ利活用)
⑦DX加速に向けた自前主義からの脱却
日本の鉄鋼業界が持っているエンジニアリング(モノづくりの力)とすり合わせの技術(調整力)の価値を再び最大化するには新しい経営戦略への転換と実行が重要です。これまで日本企業は、方向性が定まることで持ち前の現場力を発揮して数々の困難を克服し続けてきました。再びそうした方向性を示し、経営層の主導による「実行へ移す」アプローチを進めることが日本の鉄鋼業界をさらに飛躍させる鍵となります。
鉄鋼業界の有識者で構成されるアクセンチュアの専門チームは、お客様企業の成長ドライバーの創出をお手伝いする伴走者として以下のようなケイパビリティをご提供しています。
- モダナイゼーション(既存からNEWへ)
- DX(NEWへの取り組み。OTとITの融合)
- エンドツーエンドでの実行力
- ESG/サステナビリティ等のアジェンダ
- インダストリーコンバージェンス(業界を超えた融合)
経営戦略の策定からテクノロジーの実装、業務のアウトソーシングまで、各領域を手掛ける専門組織や各業界に精通したコンサルタントの協働で、鉄鋼メーカー・商社・最終需要家で構成された日本の鉄鋼ビジネスの変革をご支援しています。